さくら色 〜好きです、先輩〜

「…ぇ!ねぇってば!聞いてる?」

「あ、悪い。何だっけ?」

「だからー!言ったこと後悔してるならちゃんと謝らないとね」

「ああ、そのつもり」


別れ際、萩原に「これ以上傷付けたら許さない」って言われた。


わかってる。

もう傷付けたりしない。

恭介との約束は絶対に守る。


入学式の日、西原さんと再会してすげぇ嬉しかった。

一段と可愛くなっていて、俺は目を合わす事すら出来なかった。

でもその反面、俺の中に土足で踏み込んでくる彼女が少し鬱陶しい時もあった。

所詮他人事なのに何であんな一生懸命になれんだ?

挙げ句の果てに傷付けられてホント馬鹿だよな…

そう思ってた。


でも俺はその一生懸命さに救われたんだ。

俺の事こんなに考えてくれる奴がまだいるんだって…

少しずつ真っ暗な世界に光が差し込んできた。




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