さくら色 〜好きです、先輩〜
「昨日はごめん。俺、恥ずかしくてついマネージャーとしてだなんて言ったけどそんなこと全然思ってない」
先輩は私の手首を離した。
掴まれていた手首がほんのりと赤い。
「本当は他の男と話してるだけで気になって仕方がなかった。誰にも…触らせたくない」
夢の中にいるかのような甘い言葉と低くて掠れた声、少し潤んだ真っ黒の瞳が艶っぽくて頭がクラクラしてくる。
先輩は瞬きもせず、私の目を見て言った。
「好きなんだ。マネージャーとしてじゃなく、彼女として側にいてほしい」
大粒の涙が一粒、また一粒と零れ落ちる。
涙は止まることを知らない。
きっと涙で化粧はぐちゃぐちゃだけどそんなこと気にする余裕なんてなかった。