さくら色 〜好きです、先輩〜
「私は部員目当てじゃなくて、ちゃんと仕事をしてくれる子にきてほしいの。その点、葵ちゃんなら安心だし」
「そうやって言ってもらえて嬉しいんですが…やっぱり私じゃ、こんな大役務まりません。何もわからないのに…部員の皆さんに迷惑掛けてしまうだけです」
目の前で繰り広げられてる激しい練習。
夢を追うたくさんの部員。
こんな私がマネージャーなんて、真剣な部員に迷惑が掛かるのは目に見えてる。
「だから、すみません。この話はお断りさせて下さい」
「葵ちゃん、もう一度考えてみてくれない?わからないことは私が教える。もう葵ちゃんしか頼れる人いないのよ…」
若菜先輩は今にも泣きそう目で何度も何度も頭を下げ続ける。
私が頭を上げるように頼んでも、やめてくれる様子は全くない。
どうしよう…
いつの間にか周りの注目を集めていた。
「……っわ、わかりましたから。もう一度考えてみます。だからもう頭を上げて下さい」
すると若菜先輩は「ありがとう」と言って、満面の笑みを浮かべた。