さくら色 〜好きです、先輩〜
報告
「「えー!!!!何それ!?」」
騒がしい教室に里美と那奈の叫び声が響く。
クラスメイトは驚いて一瞬にして静まり返り、私達の方を何事かと見てくる。
「シーッ!二人とも声が大きいってば!」
私は慌てて両手で二人の口を同時に塞いだ。
「こんなこと聞いて落ち着いてなんていられないよ」
「この土日で何がどうなったのか隅々まで吐いてもらうわよ」
次の日の昼休み、里美と那奈に先輩と付き合い始めたことを報告した。
二人は予想通り…いや、それ以上の反応で始終興奮状態だった。
「凄いドラマみたい!話聞いてるこっちまでドキドキしちゃったよ」
「本当に良かったね。おめでとー!」
今までたくさん相談に乗ってくれたり、一緒に悩んでくれたり、私以上に喜んでくれたこの二人とは一生友達でいたいと心から思った。
「あ!後ろ!」
里美に促され後ろを振り返ると、先輩が教室のドアから顔を覗かせていた。