さくら色 〜好きです、先輩〜
告白はしなかった。
そんなことしたら文通が終わってしまう。
きっと二度と下駄箱に手紙を入れてくれない。
それなら今のままでいい。
そう思ったから…
先輩の卒業の日、友達に最後ぐらい話しかけなよって言われたけど出来なかった。
先輩の周りには友達や後輩がたくさん集まっていたし…
何より卒業式終わってすぐに第二ボタンが無くなっていることに気付いてしまったから…
卒業式間近になってある噂が広まっていた。
“桜井先輩に好きな人がいるらしい”
あの噂…本当だったんだ。
先輩は人気者。
すぐに他のボタンも名札も無くなっていた。