さくら色 〜好きです、先輩〜
「恭介…」
「ちょっと来い」
恭介は凄い剣幕で私の目の前まで来た。
一緒にご飯を食べてる里美と那奈、それにクラスメイトもそんな恭介に驚いた様子で教室は静まり返った。
「…でも、もうすぐ昼休み終わるよ?」
「いいから来い!」
恭介は私の腕を掴み無理矢理席を立たせて早足で歩き始めた。
私はただ一歩先を歩く恭介の後ろ姿を見つめながら、恭介に着いていくしかなかった。
屋上への扉の前で足を止めた恭介は振り返って私をジッと見つめてくる。
「葵」
「…何?」
恭介は眉間に皺を寄せ、その表情からは怒りが見て取れる。
私はごくっと息を飲んで次の言葉を待った。