さくら色 〜好きです、先輩〜
学校から帰った私は、すぐ自分の部屋のベッドにダイブして枕に顔を埋めた。
あの後、恭介は赤ら様に私を避け続け、結局放課後まで捕まえられなかった。
里美が言う聞かれちゃまずい事って一体何?
恭介のやつ…何を隠してるの?
ふと昨日会った先輩の姿が頭に浮かんだ。
あの真面目な先輩が髪を染めてた。
制服もあんなに着崩していたし…
日に焼けていた小麦色の肌は、少しだけ白くなってた。
年中外で日を浴びて練習してるサッカー部員は、みんな真っ黒に日焼けしてる。
練習してれば白くなるなんてありえないのに…
ってことは、先輩はもうサッカーはやってないってことなの…?
あんなにサッカーが大好きだったのにどうして?
頭の中にネガティブな疑問ばかり浮かぶ。
「あ゛ーー!!わかんない!」
私は枕を床に叩きつけ、髪を両手でバサバサと掻いた。