さくら色 〜好きです、先輩〜

「ねぇ、公園まだかな?」


結構な距離を歩いてる気がするんだけど…

もしかして道を間違えたとかないよね?

灯りもないし道もどんどん細くなってくるし…


「もうすぐだよ。ずっと一本道だから大丈夫」



ーーーガサ…


「ひゃあ!!…ねえ恭介、誰かいる!!」


私は音がした茂みの方を指差した。


「先輩じゃねぇの?」


恭介はそう言って私から離れ、茂みを見に行く。


「誰もいないぞ?風で揺れただけだろ」

「だって、今人影が…」


見間違えなんかじゃないと思う…

木の影からこっちを見てたもん。


「あ゛〜お゛〜い〜ぢゃ〜ん…」

「へ?」


誰もいないはずなのに背後から低くて消えそうな声で名前を呼ばれた。

私は肩をビクッと震わせ、恐る恐る振り返る。

すると私のすぐ後ろに髪の長い女性が不気味に微笑んで立っていた。




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