さくら色 〜好きです、先輩〜
その後、私は先輩に手を引かれて森を抜けた。
さっきまで怖かった森の中も先輩と手を繋いでいたら不思議と怖くなかった。
集合場所に辿り着くとすぐ若菜先輩が泣きながら私に抱きついてきた。
「葵ちゃん、ごめんね。驚かしたの私なの」
「そんな!若菜先輩は全然悪くないですよ!私が勝手に迷子になっただけで…」
「違うのよ…私達わざとああやって脅かしたの」
小野田先輩と若菜先輩の話によると、わざと私と恭介をペアにさせて最後のスタートになるように仕組んだらしい。
二人が隠れてる所まで恭介が誘導して、小野田先輩が木の影から私の気を引き、その隙に若菜先輩が私の背後に忍び寄って脅かす。
三人の作戦だと、そこで私は驚いて公園まで走って逃げてそこで待ち構えてる最後のお化け役の先輩に保護されて二人っきりになる、というシナリオだったらしい。