さくら色 〜好きです、先輩〜
本当なら俺がこうしなきゃいけなかったのに、俺は葵と別れるのが怖かった。
少しでも繋がっていたかったんだ。
でもそれは俺の身勝手で、更に葵を傷付ける結果になった。
ごめんな…
葵に辛い決断をさせた自分が情けない。
何度謝っても足りない。
葵のこと少しでも疑った自分に腹が立った。
これからは葵の想いを無駄にしないように生きていこう。
前を向いて一人前になって…
その震える背中を包み込めるような人間になって…
葵を迎えにいく。
その頃、葵が俺の事を何とも思ってなくても必ずまた振り向かせてみせるから。
もうすぐ夏が終わり、もの恋しい季節が始まる。
*奏人side*終*