さくら色 〜好きです、先輩〜
里美の初恋
新学期が始まり、今月の下旬に行われる文化祭の話題で学校中が盛り上がっている。
だけど私の心は空っぽだった。
先輩と別れて半月が経ったけどまだ先輩のいない生活に慣れない。
数ヶ月前に戻っただけなのに、私の中ではその数ヶ月が大きかった。
無意識にメールを開いたり、部活後先輩との待ち合わせ場所に行きそうになったりしてしまう。
だけど先輩の前では決してそんな様子を見せない、いつもの私。
マネージャーとして他の部員と平等になるように接している。
辛くないって言ったら嘘だけど、先輩の近くにいられるだけで十分だった。
先輩は中学の頃に戻ったようにサッカーに熱中している。
私の事なんか忘れてしまったかのようだった。