さくら色 〜好きです、先輩〜

二人のお陰でだいぶ気が楽になった。

でも空っぽの心は満たされることのないまま三週間が過ぎ…


文化祭前日。


「葵ちゃんのクラスは何やるの?」


私は若菜先輩と練習の準備をしながら文化祭の話で盛り上がっていた。


「うちのクラスは浴衣カフェです」

「浴衣カフェ?浴衣着るの?」

「はい!カフェは夏祭り風な感じで。若菜先輩も是非来て下さい!!浴衣何着か用意してあって写真撮影も出来るんですよ。小野田先輩と二人でどうですか?」


確か今年も練習や合宿で夏祭りに行けなかったって言ってたし。


「へぇ、浴衣で記念撮影かぁ。いいね」


そんな話をしているとちょうど小野田先輩が部室から出て来て、そう言いながら私達の所に来た。


「西原さんの当番の時間に合わせて行くよ。な?」

「そうね。二人だとバレちゃうから誰か連れて」

「それだったら…おい、奏人!ちょっと…」


小野田先輩は次に部室から出て来た先輩を手招きして呼んだ。




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