さくら色 〜好きです、先輩〜
優勝祈願
文化祭二日目は大盛況のうちに終わった。
香緒里ちゃんは学校を休んだ。
あんなことがあったんだもん。
そう簡単に心の傷が癒えるわけない。
板橋先生は逮捕されたと佐々木君から聞いた。
今はだいぶ反省している、と昨日の警察官が内緒で教えてくれたらしい。
香緒里ちゃんが早く元気になって学校に来れるようになるといいな。
そうそう、里美と佐々木君はあの後ちゃんと会えて話し合えたみたい。
昨日私なりに気を遣って里美と別々に帰ることにした。
里美からは一向に連絡がなくて、こっちから連絡しようと思ってた矢先にインターホンが鳴った。
ドアを開けると恥ずかしそうに手を繋いでる里美と佐々木君の姿があった。
「え!?その手…もしかして…?」
「俺達、付き合うことになった」
「葵〜」
里美は泣きながら私に抱きついて「ありがとう」って何度も言った。