さくら色 〜好きです、先輩〜
全員で円陣を組んだ。
小野田先輩が一人一人の名前を呼んでいく。
「皆、本当にありがとう。俺はお前らと一緒にサッカー出来て良かった。お前達は最高の仲間だ」
小野田先輩の言葉に早くも泣きそうになる。
私は目に溜まった涙をグッと飲み込んだ。
「よっしゃ!!皆、行くぜ!!」
「「「オー!!!」」」
選手は一斉にピッチに走っていく。
その背中を見ながら勝利を祈った。
「奏人!!」
先輩は走る足を止めて振り返った。
声を掛けたのは数人の他校生だった。
「お前ら…」
「インターハイの時、矢野から聞いたんだ。奏人がまたサッカーを始めたって。予選から凄い活躍だったな」
矢野さんの名前が出てきてはっとした。
この人達は前の学校のチームメイトだ。