さくら色 〜好きです、先輩〜
恭介の想い
「今日は今年度初の委員会があるから各自忘れずに行くように。以上」
ーーーキーンコーン、カーンコーン
担任の言葉に合わせるようにチャイムが鳴り、一斉に教室は騒がしくなった。
私と里美は偶然にも同じ図書委員になり、一緒に図書室に向かう。
「私ね、何が出来るかわからないけどやれる事はやってみることにした」
「うん。葵ならそう言うと思ってた」
私の決意を聞いた里美は、「頑張れ」って言いながら頭をポンポンっと撫でてくれた。
図書室に着くとすでに数人の委員が来ていて、その中に若菜先輩と話す桜井先輩を見つけた。
時折若菜先輩に向けられる先輩の笑顔に胸がズキズキと痛んで、私は咄嗟に目を逸らす。
二人は小学校から一緒で仲がいいんだから、楽しそうに話してたって当然のことなのに…
こんなことでヤキモチ妬いたって仕方が無いのに…
分かってても止まらないのが、恋なんだ。