さくら色 〜好きです、先輩〜
「…なんでここに?」
「買い出しです。サッカー部の」
「サッカー部?」
私が持っていた買い物袋を掲げて見せると、先輩は怪訝な表情を浮かべた。
「私、マネージャーになりました」
「…あっそ」
先輩は鞄からスポーツドリンクを取り出し、意味もなく蓋の開け閉めを繰り返している。
「この間はすみませんでした。何も知らないのに先輩らしくないなんて言って。怒鳴られて当然だと思います」
「……」
私が謝ると、蓋を開け閉めしていた手がピタッと止まった。
そして、その手でペットボトルがミシッと凹むぐらいに強く握り締めている。
「でもやっぱり、楽しそうにサッカーしてキラキラ輝いてる先輩の方がいいです!さっきみたいに」
「…俺、そんな顔してた?」