さくら色 〜好きです、先輩〜

ーーーピピーッ!!

本日二試合目の後半戦が始まった。

後半戦の間のマネージャーの仕事は、飲料水と冷やしタオルの補充、ハーフタイムで使ったタオルの洗濯の三つ。

若菜先輩に補充を任せて、私は部室棟の横にある水道で洗濯をしていた。



「ちょっといい?」


振り向くとうちの高校の制服姿の女子生徒が5人、怖い顔をして立っていた。

恐らく全員三年の先輩だろう。

私は一旦、洗濯の手を止めてその人達と向き合った。


「…何ですか?」


5人の内、真ん中で腕を組み眉間に皺を寄せていた人が一歩前に出てきた。


「マネージャー、辞めてくれないかな」


そう言って、ガムを噛みながら威圧してくる。



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