さくら色 〜好きです、先輩〜
光と闇《1》
*奏人side*
「兄ちゃん!今日はありがとう!ホント兄ちゃんの高校って強いよな」
「俺、興奮した!あのチームに入りたい!!」
「お前なら高校までしっかり練習続けてれば入れるよ」
練習試合を見に行った帰り、子供達は目をキラキラさせて感想を言い合っていた。
「ねえ、兄ちゃんは何で試合に出ないの?」
「…俺は、サッカー部じゃないから」
「どうしてこんなに上手いのにサッカー部に入らないの?」
子供達の純粋無垢な目が俺を真っ直ぐに見据えてくる。
今の俺にはない、希望と夢で溢れた瞳。
ふと、午前中に運動公園で西原さんに言われたことを思い出した。
“私、先輩をサッカー部に入部させてみせます!!これは私から先輩への宣戦布告です!”
変わってないな、西原さんは。
真っ直ぐで強くて、眩しい…