さくら色 〜好きです、先輩〜
彼女がマネージャーになったのは萩原若菜と小野田から聞く前に知ってた。
すぐに噂で広まってたから。
“一年のあの可愛い子がサッカー部のマネージャーになったらしい”
西原さんは中学の時からモテていた。
多分、本人に自覚はないんだろうけど…
彼女との出会いは中3の春。
俺が部活で捻挫をした後輩を保健室に連れて行った時のことだった。
ーーーーーーーーーー・・・・
ガラガラガラッッ!!
「先生!」
「どうしたの?」
乱暴に開いた扉から顔を青くして飛び込んで来たのが西原さんだった。
「友達がランニング中に貧血で倒れたんです!私達じゃ運べなくて…」
「あら大変!桜井君、手伝ってちょうだい」
「え?あ、はい」
俺達は急いで倒れた子を保健室に運んだ。