時は今



 モモは真面目な顔になった。

「忍さんは音楽、勉強なさった方がいいです」

「……」

「静和さんについて行くなら、静和さんも忍さんにそれを望んでいるなら、絶対その方がいいです。忍さん、才能ある人じゃないですか。そのチャンス、みすみす逃すようなことしなくてもいいです。自信持って生きればいいです。人に甘えるのはいけないことじゃないです」

 力強く言われて、忍はふっと力の抜けた表情になる。

「ありがとう…。何だか気弱になってた」

「忍さんのような方でも気弱になることってあるんですねぇ」

「モモはないの?」

「私ですか?そうですねぇ頑張って勉強して自信も持ってた試験でミスなんかしちゃうと、あー私ってやっぱりバカなのかもーってちょっぴり気弱になりますね」

「ふふ」

「あー、忍さん、笑いますかー?」

「ちょっぴり気持ちわかる」

「ホントですかー?」

 ふたりで笑い合った。



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