【短】セカンド・ラブ

教室に入ると、黒潮の話で持ちきりだった。

黒潮は、あの男達がいる高校。


「なんかさあ、黒潮って問題起こしてるの2年だけじゃない?」

「分かるー、いじめだっけ?」

「噂じゃ薬売ってるとか聞くよね」

「うわっ、うちらはただ制服着崩してて頭悪い奴ばっかだからまだ可愛くね?」 


途端、思いっきり笑い出した二人。

何が面白いのか分からない。


寝ようとした時「さいとーさんっ」と後ろから声がした。

振り向くと、周りみたいにパンツが見えるくらいのスカートの女子が立っていた。

…でもなんか他と違う気がする。


「ねえ、昨日順位見たよ!凄いねあたし勉強苦手だから羨ましいなあ」

「………」

「あ、急にごめんっ!実はさ今度、遠足があるじゃん。で──」

「……誰?」


あたしが聞くと、後ろから金髪の髪をお団子にした人が現れて、そして睨まれた。


「お前、自分が助けた奴ぐらい覚えとけよ!」


どうしよ、本当に分からない。

学校ではいつも目細めてるからな。


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