【短】セカンド・ラブ
「…はあ?」
「ちょっと頭大丈夫?」
笑いながらあたしの頭を心配する二人。
…二人の成績もなかなか危ないと思うけど。
「おい、お前ら席に座れー」
タイミング良く、担任が現れた。
数学か、じゃあいいや。
「お、おい!斎藤?どうした?」
「はちみつドーナッツ食べに一時間目だけ休む」
その瞬間、誰かの笑い声が響いた。
「あー、やば。あんたお笑いの才能あるんじゃねえ?」
「先生ー、未夢もドーナッツ食べに行くーっ」
二人はそう言って、こちらに近付いてきた。
そして未夢に腕を引っ張られて、走った。
「おい!斎藤はともかく、笠井(カサイ)と多田(タダ)は数学赤点だろうがあああぁぁあ!!」
担任の叫びは遠ざかっていく内に、最後の方は聞き取れなかった。
「…あ、」
「どうした未夢」
「財布忘れちゃった」
「バカやろう!言い出しっぺお前だろ?!」