【短】セカンド・ラブ
「で、誰?こいつ」
「…知り合い」
そう言うと今度は本気で泣き出した。
──もう、あたしに友達はいらない。
「可愛いー、妹ちゃん?」
「や、だから知り合いだって」
「う、うう…っ、誰が妹やねん!あたしは綯捺さんのあいじ「関西弁だー!初めて生で聞いたー」
さずかに亜梨沙も未夢の天然についていけないのか、小さく「…もうやだ」とわんわん泣き出した。
「なっちゃんー、ごめん泣かしちゃったー…」
「…大丈夫」
「…なっちゃんだと?」
ついさっきまで泣いていた亜梨沙が、あたしから顔を離して未夢を凝視していた。
「お前、あたしですら“さん”付けなのになに勝手にな、な、なっちゃんとか許可なしに呼んでんねん!」
「どもりすぎだろ」
「じゃあ、一緒になっちゃんって呼ぼうよっ」
「………恥ずかしくて呼べんわっ!」
「…あいつ面白いな」
「宮根、亜梨沙。覚えといてやって」
「宮根かー、濃すぎて忘れらないわ」
亜梨沙にあたしの他に仲良くなる人が出来たら、きっと離れていく。
…それで、いい。
自然と眉が下がるのを無理矢理戻して、二人の会話を聞いていた。