【短】セカンド・ラブ
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「綯捺さん!今日、泊まりに来て下さい」
邪魔者もいないようですし、とにやにやしながらそう言った。
未夢と琉奈は今日はバスケ部の助っ人に行ったらしい。
「…うん」
「やったですっ!あ、ご家族の方は平気ですか?」
「平気、自由人だからあの二人」
と、いきなり腕に巻き付いたので反射的に振り払った。
「Sな綯捺もステキ過ぎて辛いです…!」
目がもうどこに向いてるか分からない。
なんか亜梨沙の周りだけ花畑があるようだ。
「…置いてくよ」
「はっ!その台詞、あたしが憧れてたシュチュエショーン!!」
なんかいきなり震えだした…ちょっと、扱いが面倒くさい。
「綯捺さんって、ホント優しいです!!」
「…どこが」
──ただの弱虫だ。
いつまでも過去のトラウマに捕らわれてて、あたしだけ前に進めてない。
「抱きついても嫌って言わないとことか、泣いて鼻水つけても文句一つ言わないしー、あたしと兄ちゃんに何があったかのかも聞かないし、それにー」
「…は?みんなそうだろ」
「なんてイケメン発言…!男性だったら今すぐにでも結婚したいです」
左の親指を立てて、それをあたしに向けた。