【短】セカンド・ラブ
「あ、今ですっ!せーの…あー!綯捺さんも消して下さいよ~」
4号のショートケーキの上の大きい蝋燭を一本、2人で消そうと提案した亜梨沙を無視してフォークを構えた。
…しかも普通、“お誕生日おめでとう”と書いてある場所には“NATSU・ARISA”と書いてあった。
「これ2人じゃ食べ切れなさそうなので、兄ちゃんにも残しときましょう」
「…うま」
「あ、綯捺さん。これどうぞ」
そう言ってフォークで渡されたのは“ARISA”の文字が書いてあるホワイトチョコ。
無言で、亜梨沙の皿にある自分の名前が書いてあるチョコを食べた。
「あー!!楽しみにとっておいたのに…!うう、綯捺さんのバカあ!」
やけくそ状態で、亜梨沙はそのままかぶりついた。
「………」
「…あげる」
なんだか可哀想な気がしたので、あたしはイチゴを亜梨沙んの皿にそっと乗せた。
「綯捺さん、大好きですっ!」
それを刺して舐める見ている亜梨沙からイチゴを取ろうとしたら、慌ててイチゴを食べた。
「おいしいですっ」
「…亜梨沙のと同じだから」