【短】セカンド・ラブ
「うわ、また斉藤(サイトウ)が1位だよ」
今日はテスト発表日、その中で上位30位までは張り出される。
此処は所謂、不良ばかり集まる学校であまり偏差値は良くない。
その結果がいつも通りだと確認したあたしは、そのまま下駄箱に向かった。
「ねえ、このままどっか行かない?」
「いいね、行こ行こっ!」
あたしに友達と言われる人はいない。
裏切られるくらいなら、作らない方が良い。
「あれ、斉藤綯捺(ナツ)じゃない?」
「うわ、今回も1位だったんでしょ?うちらとは世界が違うわー」
小さい声で話してるつもりだが、会話が漏れ過ぎだ。
そんな二人組を横切って玄関を出た。
校門が見えるといつものように本校の男達に囲まれていた。
「──なに、してんの」
「お、秀才の斉藤じゃん。」
あたしを見てにやにやし出す男共。
…嫌な笑い方。
「女殴る主義じゃねえけど、邪魔するなら手加減しねえわ」
その途端、拳が振り落とされる。
同時に、女の子が小さく悲鳴を上げる。