【短】セカンド・ラブ
「…ホント、馬鹿」
心底心配そうに、眉を下げて笑った。
それを見て手より胸が熱くなったのが分かった。
「あら、もしかしてヒビ入ってんじゃない?色が可笑しいわよ」
「確かに色可笑しいですっ!」
なんで、分かるだろう。
そんなあたしの疑問を察した村崎先生は、苦笑いをした。
「…元ヤンだったのよ」
「実はあたしもー…」
「でも亜梨沙は喧嘩なんかほぼしなかったじゃない」
「瞬足ヘタレって呼ばれた時はなんか悲しかったです」
そんな会話をしている二人をよそに、あたし達は驚きを隠せなかった。
「待てっ!俺そんなの聞いてないぞ!」
「兄ちゃんが帰る2年前の話しだからね」
騒ぎ出した兄妹をよそに、とりあえず保険医に見てもらうと言って、学校に向かった。
「痛い?」
「大丈夫、です」
「敬語苦手ねー」
そう言って髪を一つに縛りながら、笑った。
「置いてかないで下さあああい!!」
「後で反省文書かせるからなっ!」
それがどちらもあたしに向けられてると気付いたのは、村崎先生が「ややこしいのが来たわね」と言ったからだ。
──このままこうゆうのが続けば良いのにと、柄にもなく思ったりした。