【短】セカンド・ラブ
「お客様、申し訳ございません。もう少し声を小さくしてお話願いますか?」
店員に言われて気が付いたが、二人の泣き声で周りの人がこちらを鬱陶しそうにこちらを見ていた。
あたしは頭を下げて二人を止めようしたら、あたしの前に誰かが立った。
「すいません。実はこの子達が離れ離れになるのを惜しんで泣いてしまっているんですよ。…だから、声を抑えさせますので泣くのを許してもらえませんか?」
さらっと営業スマイルで嘘を吐いた宮根悠些。
店員は、その営業スマイルに騙されて顔を赤に染めた。
「あ…、うるさくなければいいんですっ」
「良かった、ありがとうございます」
顔を林檎みたいに真っ赤に染めながら、おぼつかない足取りであたし達から背を向けた。
「ほら。お前等声抑えろ、好きな物頼んでいいから」
「う~…、カルボナーラとチョコケーキとオレンジ!」
「ピザとパンケーキとメロンソーダ!!」
「……容赦ないな」
財布を見ながら顔を青ざめる宮根悠些を気にすることなく、まだメニューを見ながら悩んでいる二人を見ながら冷めたコーヒーを飲みほした。
「あ、兄ちゃん。これ頼んどいたよっ」
そう行ってさっきまであたし達がいたテーブルに戻って苺パフェを持ってきた。
「おお!サンキュー…って、溶けてんじゃねえか!」
「味は変わんないよー」
「グラタンも捨てがたいなー、どうしよ」
「未夢っ!」
「あ、琉奈じゃん。どうしたの?」
珍しい、素直にそう思った。
琉奈は毎日に化粧に手なんか抜いてなくて、髪も朝早くに起きて手を入れてるぐらい見た目にはこだわってるのに、今の琉奈は髪も乱れてて化粧も汗で若干落ちてしまっていた。
「どうしたじゃねよ!お前が呼んだんだろ!?」
「…あ、ごめん忘れてた」
未夢が言ったと同時に琉奈があたしの隣によっかかるように座った。