【短】セカンド・ラブ
「お、笠井か。お前も何か頼んでいいぞ」
「…えっと、じゃあコーラにします」
頬をあごで支えながら笑う宮根悠些。
あたしは店員に空になったコーヒーを渡した。
「おかわり」
「はい。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
皆がメニューを凝視しているのを横目で確認した後、あたしは頷いた。
頷いた途端、皆から一気にブーイングを受けた。それを聞かなかったことにした。
「…え、あの…」
「以上で」
「は、はいっ」
店員を半ば無理矢理に帰したあと、最初に琉奈が口を開いた。
「で、未夢はもう話したワケ?」
「綯捺ちゃんが優しいんだよこれがっ!」
「……それもバレたワケ、ね」
ため息を吐きながら、あたしの方に目を向けた琉奈。
なんか分からないけど皆までこっちを向いている。
「…なに」
「や、普通許さねーなと思って」
「…恨み続けるの疲れるし」
「…斉藤って、ツンデレ?」
ん?ツンデレってなんだ??あたしは首を傾げる。
それを見て、琉奈は苦笑いをするだけで意味は教えてくれなかった。
「綯捺さん!コーヒーのおかわりきましたよー」
「ありがと」
それを受け取って、今度はちゃんとミルクを入れてコーヒーを飲んだ。