【短】セカンド・ラブ
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「…俺まだ給料前…」
あれから何故か、怒り狂った亜梨沙は食べれないくせに追加注文して結局、あたしが主に手伝うことになった。
その間、宮根悠些はただ泣きそうになっていた。
「ご馳走さまでした」
「けっ!綯捺さんの間接キスを狙うからだ!」
「すごいおいしかった」
「…ご馳走さま」
「しょーがねえ、親にゴマするか」
なんて、最低なことを吐き出した。
それを聞いたあたしは冷たい目で見た。
あたしの目線に気付いたら宮根悠些はそれを見て、笑った。
「駆け落ちして」
「は?え、ちょっ…」
誰と、そう普通に答えようとしたら左腕を掴まれて気付いたら走り出していた。
そして後ろから聞こえる声もだんだん小さくなっていく。
体重を後ろにかけようとしても、力が強過ぎて抵抗出来ない。
「ちょ、みんなは…」
「いいから」
しばらく走ると、目の前に懐かしい公園が見えた。
…確か、此処でよくこいつと遊んだっけ。
「ほらほら、そこ座って」
「大事な話?」
話なんて、いつでも出来るじゃないか。
久しぶりに語尾を上げた気がする。
「大事」
笑わずに、そう言った。