【短】セカンド・ラブ
と、瞬時に亜梨沙が反応して、お兄さんの近くまで行った。
「違うわアホ!」
その喋り方は、明らかに関西独特の方言だった。
亜梨沙、関西出身なんだ。へー。
「…言葉遣いわりぃって」
「兄ちゃんが変な………えへっ」
あたしの方に振り返って、舌を出しておどけてみせた。
──けど、もう遅いと思う。
「お前、言ってなかったのか。それは無理だろ」
「綯捺さん!嫌いにならないでくださいっ!いえ、でも例え嫌われてもストーカーします」
また足にしがみついて半泣き状態で攻められた。
…なんか最後の聞こえた気がするけど、聞かなかったことにしよう。
「……なつ?」
お兄さんが、目を見開いてあたしの名前を呼んだ。
「なつ?!なに呼び捨てしてんの!あたしだってまだ呼んどらんのに!」
いや、問題そこじゃないって。
足にしがみつく亜梨沙に気を取られてたせいか、お兄さんの顔が近くまでに来ていた。