検品母
グレーで統一され、キレイだが無機質なリビングで、山口あゆみは、動かなくなっていた。
DVDを見るのもゲームも好きなだけやれ、コンビニのデザートやファーストフードは食べ放題。
みんなさらってきた男が、運んでくれる。アメリカ製のダイエットの錠剤のおかげで太る事はない。
いちいち、管理されていた、ママ、山口秀子の事を思い出す事なんてない。
ただ、ふいに、体のあちこちを触られるのが、かなわんかった。
また、いつものように、男は、あゆみに触れて、ギクッとなった。
冷たい。
息もしていない。
見ると、テーブルの上のメリカ製のダイエットの錠剤が、全部空になっていた。
まずいよ。
男は、かわいいペットが急に面倒なものになったので、慌てた。





















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