検品母

弥生たちは喜んだが、一応やることはした。身元調査だ。表向きは、左よりがするなと言っているが、やるべきことだと弥生は考えていた。だから山口寛之の事を、身内に精神障害、身体障害、口蓋裂、アトピー、自殺、犯罪者、同和出身者、共産党員、新興宗教がいないか、調べた。
「婚姻は両性の合意に基づく、ってあるやん。」秀子がまくしたてたが、
「キレイごとでは済まないのよ。宮下恵子ちゃんみたいな、口蓋裂の家系だったらどないするの？」
「口蓋裂は、遺伝が１００％ではないのよ。」
「でも、六親等以内にミスミスおかしい人おるとこ、選ばなくていいっ！」
それらをすべてクリアして、お式が無事終わり、あゆみと緋那も障害も無く無事生まれたのに。
あゆみ、と言う名前は、アンドロイドのような、整形美人の歌手からとったらしい。
この歌手は、コンサート会場で、障害者を罵倒したらしいが、出てくる障害者の方が悪いと、秀子と弥生は言っている。