検品母
木村薫は、退院して家へ戻ってきていた。
「明日から学校に行きますと、連絡するわね。」と緑。
「イヤ!」
「どうして?山口あゆみちゃんはいないのよ。」
「でも、何かあったら刺されるもん。」
「それは、あんたが人の気にする事言うからでしょう?」
「刺す方が悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い、悪い・・・・」
「薫!」
薫は二階に駆け上がった。緑は、そとぼりが冷めるまで放って置こう、と夕ご飯まで放って置いた。で、用意が出来たので呼びに上がると薫はいない。
「薫!」
久和と共に周りを探したがいない。
「おまえがちゃんとせえへんからやろ!」
久和は責める。でも、緑は、言い返す。
「ちゃんと学校にも連絡したし、今日は薫の好物つくったのに・・・」
2人はお友達や、先生の家に連絡したが、心当たりは無いと言う。しかたなく、捜索願を提出した。しかし、警察も当てにできない。ここから少し離れた、ひばりヶ丘の小学生も失踪したまま戻らないのだ。緑と久和は、電話帳でテレビ局を調べ、緊急に緑が失踪した旨を流す様にお願いした。何度かやり取りの跡、「TVのチカラ」への出演と大手スーパー、外食産業、運送会社、パチンコ屋、ガス会社、生協等で、ビラ貼り・広告に乗せる・業務車に写真を載せる事が決まった。少し展開が速すぎるが、これだけ子どもの事件が多すぎる今、早く動きすぎてフライイングになる事は、恥でもなんでもない。









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