検品母
その翌日の、のぞみ台の公園でも、またママ友のグループが溜まっていた。
「木村薫ちゃん、なんで失踪したんやろ。」北野和代が言った。
「さあ。ニュースでは母親に学校に行くのを強要された、ってゆうてた。」名越育子が応える。
「へえ。緑さんってキツイからなあ。よう、怪我治ったばかりの子責めるわ。」
宝明子が指摘した。
「ほんま、やりかねんなあ。アホちゃう。」
ママ友たちは、ビーフジャーキーをもらった犬のように、秀子とあゆみの事を、おいしく味わい始めた。
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