検品母
のぞみ台小学校では、ものさしを持った子ども達が、「カッター突き刺しごっこ」をしていた。
「やーい。麗子像!」
名越育子の娘、妃美花(ひみか)が吉冨麗華を囃した。
すると、吉冨麗華が持ってるものさしを 名越妃美花に突き立てるそぶりをする。
北野和代の息子、寿醍 (じゅだい)が、
「でぶ!」と、春山優子の娘璃々杏(りりあん)を囃すと、春山璃々杏は、北野寿醍を ものさしを持って追っかけた。 北野寿醍は、逃げ惑ったが、やがて押し倒され、ものさしで突かれまくった。
宝明子の息子、紗亜(しゃあ)が、「出っ歯!」と、名越妃美花を囃すと、 名越妃美花が、宝紗亜を襲う...
それを遠くで見ていた校長は、止めようと運動場に出ようとしたが、カウンセラーの倉田理恵子に肩を掴まれた。
「あれはあれで、セラピーなんですよ。」
「どうして?」
「『禁じられた遊び』の葬式ごっこのシーンあるでしょ?十字架作って...」
そう説明されると、合点が行ったのか、校長は業務にもどった。
山口あゆみの件で、教育委員会に出すレポートが仕上がってないのだ。















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