検品母
「奥さんは?」
「倒れました。」
「え!」
言っちゃおれない、という感じで、二人は、ずかずかと上がりこんできて、秀子の状態を見ると、すぐに119番した。
秀子が再び気がついたのは、また病院のベットだった。
「気が付かれました?」
秀子と同じ年頃、30代前半の女性看護師が声を掛けた。
「ご主人は、警察の方でお話しています。緋那ちゃんは、児童支援施設でお預かりしています。」
秀子はそう言われても、もう思考がフリーズしていた。その後看護師が、入れ替わり、立ち代り世話をしにきたが、秀子はもはや、人形のように動かなかった。その様子に、医師は、精神科医を呼ぶことにした。

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