検品母
店を後にすると、大きい公園があった。遠くにママ友らしき二組の親子が、子どもを遊具で遊ばしている。
ただ、遊んでいる二人が、ママ友特有の緊張感がなく、容姿がチグハグな組み合わせなのだ。女は、自分の容姿レベルにあわせて、つるむ相手を決めるのに。
一人は、かつて取材を受けたMATEにも出られるレベル。
もう一人は、155cmの5号サイズ。目鼻立ちは土人形のようにちんまりしている。
「節子ねーちゃん。」
派手な女の方が、そう呼んだので、姉妹らしい。
ははーん。うちらみたいな美人姉妹と違うのやな。子ども時代は、容姿のせいで仲が悪かったでしょうに、子どもができて和解したってことか。
え?節子?文化教室でいっしょだった?地味すぎるから判別できなかったけど...教室では、ちまちました目鼻に必死で色を載せたメイクなのに...
やばい、やばい。山口秀子は退散した。
彼女達のような、平和はもう味わえないと思いながら。







< 66 / 114 >

この作品をシェア

pagetop