検品母
そういう、祖母に育てられたせいか、2人とも古い事をよく知っていて、礼儀作法ができていて、勤めてからは、上司にびっくりされるのだが、学生時代はそうもいかない。やはり、目立つせいで、チヤホヤされる百合子は、姉をないがしろにしだした。しかし、お互い子どもが生まれてみると、なんとなく連絡を取り合い、遊ぶようになった。百合子が連絡してくるのも、高層マンションのママ友集団に疲れただけかもしれない。それとも、姉の人格を認めたのか...
「けど、こんな辺鄙なところで、あんな事件が起こるなら、関東のハイソな地域なんか、えげつないのとちゃうか?なまじ、京阪神の中途半端なクラスを知ってるから、余計そう思うわ。」百合子が言う。

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