検品母
別のところで保護されている、あゆみの方は、自分が何か大きな事をしたことは、わかっていたが、変なとこに連れてこられて、何が起こるのだろうか、とワクワクすらした。
「木村薫ちゃんに、何かされたの?」
こちらにも、森高春子という婦警がついていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
あゆみは、ブンブン頭を振るだけだった。森高が、以後、学校のこと、おうちのこと、近所のことを聞いていったが、頭ブンブンが続くだけだった。
「これやったら、調書とられへんな。」森高春子も、と、そっちの方ばかり考えていた。「これって、今流行のアスペルガーちがう?」なんでも知能の高い自閉症だと聞いており、最近の少年犯罪は、みんな、乱暴に「少年罪は、アスペルガー、高機能自閉症で・・・」と言う事になっている。森高は、詳しい事を調べられる人に託すまで、やり過ごす事にした。

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