検品母

職員室に帰ってから、島田先生は、今日の出来事を、学年主任の岩下先生に相談した。
「木村薫ちゃんの、お母さんからも連絡がないと．．．難しい事になったね。」
岩下先生は、黙り込んでから、３分後に切り出した。
「あの事件の時も、保護者に集まってもらいましたが、またそうしますか。」
終わりの会で、島田先生は、緊急の保護者会のプリントを配ってから、こう指示した。
「木村薫ちゃんの今日の連絡物や宿題は、吉冨麗華ちゃんに持っていってもらいます。」
すると、男子どもがヒュー！と叫びだした。
「３年３組、リーサルウェポン！」
映画で見た、ヒーローのように、はやしたてた。
先日、あの邪険な父親の残る山口あゆみ宅に学校に置いてあった物を届けた事もあるからだ。
しかも、木村薫が登校するように説得する任務も負わせられている事位、察しがつく。
「静かに！」