検品母
うちに入ったあと、木村みどりは、やれやれと息をついた。
みんな、吉冨麗華ちゃんのような、女子特有のいやらしさがないのなら、薫も不登校を起こさずに済んだのに。おなかが痛いと言うのはうそで、本当は学校に行きたくないのだ。
また、いやらしい女子を育てるような、親ばかりだから...
そう思っていると、
「生協です。」
と、玄関で声がする。
あの事件以来、買い物に出ても、ママ友に会うと、ものすごく気まずいような雰囲気になるので、買い物には行っていない。生協は、若干高いけどしょうがない。
以前は、スーパーを2件まわって、安い方のものを購入するのも楽しみだったのに。
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