ピアニシモ~18才のシングルマザー~
「ごめん、ごめん。
 言っておくけどね。
 僕の方だって、積極的に女の子を抱くなんて、茉莉珂ちゃんが初めてなんだからね」

 イケメンで、派手な外見と。

 人気バンドのヴォーカルなんて、モテモテでもおかしくない立場にも関わらず。

 ……色っぽいことには、あんまり慣れてないんだ。

 なんて。

 素直に認めるあたり。

 司らしい、と言えば、司らしいんだけど。

 その次に言ってくれた言葉で、わたしの胸が、きゅんとなった。

「だって、俺。
 うんと小さな子どものころから、茉莉珂ちゃんだけが好きだったんだもん」

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