A☆New☆彡Holiday!!
来店したのは常連客の上野(うえの)だった。
上野は70歳台前半位の初老の男性だ。

舞花はリハビリを頑張ってる上野を
人間(ひと)として魅力的だと
感じていた。

上野は病気の後遺症のため
左下肢にマヒがあり、いつも左足を
引くように歩き、杖を使用している。

そしていつも開店間もない時間に
ひとりで来て混む前には帰っていく。
店にも迷惑をかけず、自分にも負担が
少ない飲み方なんだと、以前笑って話していたことがあった。

そして上野は朝陽をマスターと呼ぶ。
本物のマスターは朝陽が休みの日にしか来ない。

そして、滅多にその日に上野は飲みに
来ないので朝陽をマスターと勘違いしたままなのだ。

だが、スタッフも朝陽もその間違いを正そうとはしない。

彼が気持ち良く飲むために特に必要の
ない事実だからだ。
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