【 側にいるよと笑うから 】
「認めたくないのかもね。」
部活が終わって、めずらしく奈央と一緒に帰る。こんな気持ちがあっては練習にもならない。
「あいつのことは、最初から認めたくない。」
「そうじゃなくて。変化している自分を。」
まさかの発言に、くわえていたアイスの棒が落ちた。途中コンビニに寄って買ったものだ。
「まてまてまて。落ち着け自分。ますば整理しよう、うんそうしよう。」
「図星だからって動揺しすぎ。」
「何を?!何が?!」
「だーかーらぁ。もう小春は杉本のことを嫌ってなんかいないってこと。」
入学してから今まで、嫌い続けたあの最低野郎を?私はもう嫌いじゃないって?そんなの
「有り得ないわぁ――!!!」
「それが認めたくないってことだって。」