【 側にいるよと笑うから 】




「何でこんなにあいつのことを考えなきゃなんないのさっ!」



頭が沸騰しそうだ。

嫌いなままでいいじゃないか。
関わらないで交わらない日常でいいじゃないか。



「何でそんなに嫌がるの?」


「最低野郎だから。」


「じゃあ何で杉本の行動や言葉を気にするの?拒絶すればいいじゃん、嫌いなやつのことなんか無視すれば。」


「...それができないからこんなに悩んでる。」



確かに注目してしまう。今までそれは悪い意味でだった。気に入らないからだった。



「でもね小春。気にしてしまうってことは、それだけ興味や関心があるってことだよ。」



嫌いなのに。大嫌いなのに。

その気持ちを利用して、気にしていることを隠していた。私の中に芽生えていた感情を、自分勝手に変えてしまっていたんだ。



「ねぇ...小春は杉本にどう思われたいの?」




< 24 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop