【 側にいるよと笑うから 】
事の重大さに、目をあわせることなんて出来なくて、すぐ目の前にある床に視線を投げた。
今度はわたしが嫌われても仕方ないな。そのぐらいひどいことをした、と思う。
「最低女って呼んで下さい。」
自分でも聞こえるか聞こえないかの声で、ぽつりとつぶやいた。
「へー...反省してるってわけか。」
「はい。そりゃもう。」
「ちょっと甘いんじゃね?」
「...は?それはどういう...」
「だから。そんなんで許されると思ってんのかよ。」
ゆっくり弧を描く杉本の口元に背筋がぞくりとして、これからの自分の人生がろくなものにならないことを予兆した。
「まぁ当分は、パシリ決定。」