【 側にいるよと笑うから 】
・そんな口実
波乱の夏休みがおわり、清々しい気持ちで向かえた学校生活。
「5・4・3・2・い「滑り込みセーフぅぅぅ――!!!!」
「10食限定のジューシー角煮まんを手に入れてから教室に帰ってくるまで5分。さすが小春っ!!」
「チッ」
「こっちは罰ゲームありで命かかってんだよ。舌打ちすんな!!」
肩でこれでもかってくらい荒い息を吐いているわたし。
目の前で机をあわせて、仲良くお昼ご飯をたべようとしている奈央と杉本。
最近では当たり前の光景になりつつある。
勘違いしていたことが発覚してから、こんなふうにわたしをパシるようになった杉本。元々は自分が悪いのだから、何も文句を言わず従っている。実際、腹はたっている。