【 側にいるよと笑うから 】
「言ったな?」
杉本の笑顔が恐ろしすぎる。一体どんな罰ゲームを課せられるのか。
「下の名前で呼べよ。」
「...下の名前で呼べよ?」
思わず復唱してしまった。下の名前って?名前で呼べってこと?
「...え?それだけ?」
「これからずっとな。」
理解に苦しむ。
それだけのために、この1ヶ月近くわたしは走り続けたのだろうか。そうしてほしいなら、そう言えばいいだけじゃん。それをわざわざ限定品を買ってこいだなんて。
「...あれ?」
そう言えば、わたしが言い出した気がする。