そんな君に一目惚れ
しばしの沈黙の後、俺はそれに耐えきれなくなり、
「なんだよ?」
と問うと、
『実はすごい急なんだけどさー…』
そいつは言いにくそうに、こう言い放った。
『俺の担当と変わってくんね?』
キキィー
突然のことに、俺は自転車を止めた。
「は?」
おかげで前のかごに乗せていた荷物が少し浮く。
(どういうことだ?)
つい最近担当を言い渡されたばかりなのに、こいつはその担当を変わってくれないかというのだ。
そんな無茶な話が通用すると思うのだろうか?